目次
はじめに
データベースは多数のクライアントから同時にアクセスされることがあります。そのため、複数のクライアントが同じデータを同時に更新すると、データの整合性が崩れる可能性があります。このような問題を防ぐために、データベースにはロック機能があります。本記事では、データベースのロックについて基礎からデットロックまで解説します。
データベースロックとは
データベースロックは、複数のトランザクションが同時に同じデータにアクセスした場合、データの整合性を保つためにトランザクションがデータをロックする仕組みです。データベースロックは、トランザクションが完了するまで、他のトランザクションからデータへのアクセスを制限します。
データベースロックの種類
データベースロックには、大きく分けて2種類あります。
共有ロック(Shared Lock)
共有ロックは、複数のトランザクションが同時に同じデータにアクセスした場合、読み込みアクセスを制限するためのロックです。共有ロックが設定されたデータは、他のトランザクションから読み込みアクセスはできますが、書き込みアクセスはできません。
排他ロック(Exclusive Lock)
排他ロックは、複数のトランザクションが同時に同じデータにアクセスした場合、書き込みアクセスを制限するためのロックです。排他ロックが設定されたデータは、他のトランザクションから読み書きアクセスができません。
ロックの粒度
データベースロックには、ロックの粒度があります。ロックの粒度は、トランザクションがロックする範囲を決定するために使用されます。
行ロック(Row Lock)
行ロックは、データベースの行単位でロックをかける方式です。行ロックは、一般的に更新処理や削除処理など、1つの行に対してトランザクションがアクセスする場合に使用されます。行ロックは、ロックの粒度が細かいため、他のトランザクションとの競合が少なくなります。
ページロック(Page Lock)
ページロックは、データベースのページ単位でロックをかける方式です。ページロックは、複数の行が含まれるページに対してトランザクションがアクセスする場合に使用されます。行ロックよりも粗い粒度のロックですが、行ロックよりも少ないロックが必要な場合があります。
テーブルロック(Table Lock)
テーブルロックは、データベースのテーブル全体をロックする方式です。テーブルロックは、通常、データベースのスキーマ変更などの処理で使用されます。テーブルロックは、ロックの粒度が最も大きいため、競合が多くなります。
デットロック
デッドロックは、複数のトランザクションが相互にロックし合い、処理が進まなくなる状態です。例えば、トランザクションAがテーブルXの排他ロックを取得し、トランザクションBがテーブルYの排他ロックを取得している場合、トランザクションAはテーブルYに対するロックを取得できず、トランザクションBはテーブルXに対するロックを取得できず、処理が進まなくなってしまいます。
デッドロックは、トランザクションが相互にロックし合うことによって発生します。デッドロックを解消する方法としては、データベース管理システムが自動的にロックを解除して処理を再開する方法や、プログラマが手動でロックを解除する方法があります。
まとめ
データベースロックは、複数のトランザクションが同時に同じデータにアクセスした場合、データの整合性を保つためにトランザクションがデータをロックする仕組みです。ロックの粒度は、行ロック、ページロック、テーブルロックの3つがあります。デッドロックは、複数のトランザクションが相互にロックし合って処理が進まなくなる状態です。デッドロックを避けるために、適切なロックの粒度を選択し、ロックの解除方法についても考慮する必要があります。